藤本先生「竹林亭」を知る

出石と言えば蕎麦というイメージですが、
地元の人がいつもそばを食べているかというと…

ということで、今回は地元の人に愛される「竹林亭」に行きました。
外観も内装も竹が使われており、竹林のイメージそのままです。


味噌煮込みうどんがおすすめということでしたが、
土壇場で牛すじカレーうどんに変更してしまいました…。


地元の方々に愛されるのも納得の味でした!!
一度食べたら病みつきになりそうなお味でした。

ところで、この「竹林亭」…知れば知るほど謎が深まります。
なぜ「竹林」なのか?なぜ「うどん」なのか?

…ということで、ご主人に聞いてみました。
ご主人、非常に面白い方で、色々と教えてくれました。

まずは、「竹林」にした理由。非常に意外なお答えでした。

「手入れが楽そう」と考えたかららしいのですが…ところが…
竹が増えすぎて、秋頃には数百本の竹の伐採に追われるとか…

店内の竹林を模したディスプレイは衝立の代わりとのことですが、
当初は夜中に竹がけたたましい音を出して割れたこともあったそうで…

今では店内の竹たちも「やんちゃ」な時期を終えて落ち着いたらしいですが、
色々と大変だったそうです。

もう一つの疑問なのが出石で手打ちうどんを出している理由です。
出石では蕎麦というのが通常のイメージなのですが…

すると、これも意外なお答えをいただきました。
実は、当初は蕎麦も出していたとのことでした。

ところが、蕎麦だと観光客が中心となり、
お昼時には蕎麦だけになってしまい、他のものが出せません。

しかも、非常に多忙となるので、早くに店じまいになってしまうそうです。
確かに、少し遅くに出石に行くと、売り切れにになっていることも少なくありません。

そうした理由から、普通の定食屋としてやっていくためには、
どうしても蕎麦から離れる必要があったそうです。

しかし、出石にあって蕎麦をやめるというのは簡単では無さそうです。
出石蕎麦を満腹になるまで食べると…成人男性だと3000円を超えてしまいます。

ところが、うどんとなると、せいぜい、一人前は1000円が限度となります。
うどんの方が原価率が高いので、粗利は低くなります。

もちろん、これは蕎麦屋が儲かるという単純な話ではなく、
「出石」というブランドがあってこその話にはなりますが…。

とはいえ、出石では「儲け」を考えると普通の定食屋をするよりも、
出石ブランドに乗って、蕎麦屋を営む方が理にかなうのです。

それでも、定食屋として「うどん」を続ける意味はあるそうです。
それは「地域のための場」としての存在です。

出石出身の方々の話を聞いてみると、
「出石で外食する」=「竹林亭」となることが多いそうです。

「竹林亭」を訪れた日、私達は複数の場所をめぐりましたが、
昼食を「竹林亭」で摂ったことを話すと、皆さん、喜んでくれました。

出石の人たちにとって「竹林亭」には様々な思いがあるそうです。
そして、その思いに応え続けている「竹林亭」…本当に感銘を受けました。

地域を豊かにするには経済的な利益だけでは不十分なことがあります。
今回は、出石のうどんを通して、地域における拠り所について考えさせられました。

以前は出石以外からもバイヤーの方々や運送業の方々など、
リピーターも多かったそうですが、世代交代や高速道路の開通でそうした減ったそうです。

もしも、出石にお立ち寄りの際には「竹林亭」の「カレーうどん」をご賞味ください。
ちなみに、「唐揚げ定食」も大人気のようです!!

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